見た目は貧相な顔したガリガリの眼鏡かけた大人しそうな男子で、中一の初っぱなにクラス全員から距離を置かれてそのまま三年間ずっと一人で過ごしてた
距離を置かれた理由がこれまたクソで、小学校の頃に女の子を集団でいじめて不登校にさせたのを最初の自己紹介で自慢したこと
そいつの通ってた小学校がどんな民度だったかは知らないけど(私の交遊関係の範囲内でこいつの通ってた小学校出身はこいつだけ。家がやたら遠方だった)少なくとも当時の私たちのクラスはクラス中が「うわぁ(ドン引き)」みたいな空気になった
先生も引きつった顔して何も言わずに次の子の自己紹介を促してた
下手に関わったら被害者か加害者になりかねないから意識して避けてたんだけど、みんなも同じこと考えてたみたいで、一年生の教室特有のあの隣の席の子とかを初めとして恐る恐る仲良くなっていく時期も誰にも話しかけられずにポツンとしてた
何人かの男子曰く向こうから親しげに話しかけてくることもあったみたいだけど、当たり障りのない返事してたら寄ってこなくなったって
三年間ずっと同じクラスだったけど最後まで誰とも親しそうな様子は見せずに休み時間はずっと寝てた

こいつ、ほんの一時期だけだけど、二年の半ばぐらいから
「姉ちゃんが言ってたんだけど」
と前置きして
・女の子は素直で可愛いのが一番
・結婚しないと生きていけないのにそんな舐めた態度を男に取ってはいけない
・そんな素っ気ない態度だと好きな人の前でもうっかり素っ気ない態度になる
・女は結婚して子供を生むのが一番世のため人のため
等々と主張するようになった
会話にひたすら割り込んで主張してくるからウザいのなんの。露骨に嫌そうな顔しても懲りずに主張してきた
女子の間では「今時そんな主張する女いないやろ」で見解が一致したから、授業参観でこいつの母さんが来た時にお喋り上手な女の子が
「でも上に娘さんがいると楽しいでしょ？」
「えっ？うちは一人っ子だよ？」
「あっそうなんですかー。じゃあ従姉妹さんのことかなぁ」
「どうしたの？」
「いやぁ、よくお姉さんのこと話題に出してるんですよ」
「うーん。従兄弟にも女の子はいないんだけどねぇ」
「あれぇ～？」
こんな感じの会話でこいつの嘘を暴いた
誰かがこの会話をあいつに伝えたのか、それともお母さん経由で知ったのか、以降こいつが「姉貴が～」を前置きにして妙なこと語ってくることはなくなった

高専に進学したとか聞いたけど今頃どうしてるだろうね
ちなみに同窓会には来なかった