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227: 暇潰し 2014/12/29(月) 20:08:00.66
東京着くまでの暇潰し。 
もう終わった話な。

228: 暇潰し 2014/12/29(月) 20:11:53.58
大学卒業と共に三年付き合った彼女に振られた。 
他に好きな男が出来たから。 
結婚を考えていた俺は落ち込んだ。
そりゃもう飛び降りるんじゃないかと
周りを心配させるくらいに。 
そんな俺に優しい言葉を掛けてくれたのが
配属先にいた女の子。
高卒の彼女は俺よりも歳下だけど、
一応会社では先輩。







229: 暇潰し 2014/12/29(月) 20:17:11.18
仮名で凛子としよう。
凛子はちょっと洒落にならない位可愛かった。
石原さとみを更に可愛くした感じ。
それに愛想も良かった。
何しろ振られた事を引きずっていた暗さ満点の俺の事を
あの手この手で元気付けようとしてくれていたから。
勿論社内ではもてた。もてまくってた。
だけど、俺はそれでも中々元カノの亡霊から立ち直ることが出来ないでいた。

231: 暇潰し 2014/12/29(月) 20:23:11.37
凛子は確かに可愛いけれど、
俺は彼女の事をそう思う余裕すらなかった。
加えてややネガティヴな俺は
美人は信用できない、という思いから、
中々凛子に心を開くことも出来なかった。

だけど入社して半年経った頃、上司に
「最近のお前、表情明るくなったよな。いい笑顔してるよ」
と言われ、愕然とした。
陰気くせえ、と言われる事はあっても、
笑顔がいい、なんて生まれてこの方言われた事が無かったから。
そしてこうも言われた。
「凛子に感謝しろよ」

その時初めて彼女の事を
一人の女として見ることが出来た。
これがすべての始まりだったんだ。

235: 暇潰し 2014/12/29(月) 20:34:09.27
話し掛けてくる凛子を初めてまともに見る事が出来た。
いや、だからこそまともに見る事が出来なくなった。
可愛すぎたんだ、凛子が。
こんなに可愛くて美人の女の子と
半径5メートル以内に入ったことが無かった俺は、
逆に彼女と喋れなくなってしまった。
そしたら暫くしたら凛子に言われた。
「わたし、何か悪いことしたっけ?し
たんなら謝るから言って欲しい」と。
情けなくて泣きそうになった。
こんなに良くしてくれる人になんて態度をしてるんだって。
俺は思い切ってすべてを打ち明けた。

彼女に振られて落ち込んでいた事。
凛子が話し掛けてきても上の空だった事。
立ち直れたのは凛子のお陰だと上司に言われ、
初めて凛子の事を考えられるようになった事。
そして凛子があまりに美人過ぎる事に改めて気が付いて
どう接して良いか分からなくなった事。
美人は恐い、俺みたいな男とは住む世界が違うので
関わらない方が良いと思っていた事を。

236: 暇潰し 2014/12/29(月) 20:40:26.97
凛子は笑っていた。全部知ってたよと。
だけど最後のだけは納得したくないな、とも。
「美人なのはよーく知ってる。だけど恐くないよ」
そう言う彼女に俺は惹かれた。
一年経っても相変わらずの凛子。
彼氏の影も見当たらない。
元カノと別れたのは凛子に会うためだったのかも、
と都合良く考えた俺は、
身の程弁えず告白した。
俺はいつも全力だった。
「絶対に幸せにする。結婚前提に付き合ってほしい」
と言ってしまったんだ。
呆気にとられる凛子。
だけどすぐに微笑んでくれた。
「こちらこそよろしくお願いします」
腰が抜けそうになった。
この世に生まれたことを感謝した。
元カノに感謝した。
初めて嬉し泣きをした。

240: 暇潰し 2014/12/29(月) 20:53:02.12
俺23歳、凛子20歳から始まった恋愛。
俺は彼女に、何故彼氏が居なかったのか?と
空気読めない質問をした事があった。
彼女は「だって俺君のことが好きだったから」。
俺が入社した頃からの一目惚れだったと聞いて
信じられない気持ちで一杯だった。

若い二人はいつも一緒だった。
社内では公認。
だからこそ仕事中は逆に
接点を出来るだけ取らないように気をつけた。
その反動でアフターファイブはベタベタだった。
近くのミスドで俺の帰りを待つ凛子。
俺が店に入るや否や、
周りの目を気にする余裕すら失った彼女はいつも飛びついてきた。
そして手を繋いで俺の部屋。
本当に可愛い彼女、
自慢の彼女だったんだ。

間も無く同棲を始め、
一年記念でお互いの両親に挨拶に行った。
そして更に1年後、俺たちは結婚した。
俺25歳、凛子22歳の秋に式を挙げたんだ。
人生てなんて素晴らしいんだろうと思った。
俺を産んでくれた親に感謝した。
凛子を産んでくれた義母に感謝した。
出逢いをくれた神様に感謝した。
全てが順調だったんだ・・・・・

243: 暇潰し 2014/12/29(月) 21:02:17.91
早く子供が欲しかった彼女は仕事を辞めて専業に。
同棲時代から殆ど毎日抱き合っていた俺たちは、
避妊しないセに没頭した。
毎日毎日抱いていたから
子供なんてすぐ出来ちゃうね、なんて笑い話しながら
事後に子供の名前を考える幸せな毎日。
だけど中々妊娠しなかった。
1年が経とうとしたころ、
不妊治療も考えたが費用を聞いて躊躇した。
若い俺の収入なんてたかがしれていたからな。
結局、自然に任せようという事になり、
彼女は再び働き始めた。

これが間違いだったんだ。

245: 暇潰し 2014/12/29(月) 21:08:00.95
派遣として送り込まれた先は大企業。
そこで受付嬢として働き始めた凛子。
毎日毎日大勢の来客があるらしく、
最初の頃は毎日クタクタに疲れていたようだった。
そして夜の生活も次第に少なくなっていき、
働き始めて半年経つ頃には週に一度あるかないかに。
これじゃあいつまでたっても子供なんか出来ないと話し合いをする事はあったけど、
その直後は増えるものの、
また戻ってしまうという繰り返し。

247: 暇潰し 2014/12/29(月) 21:14:20.63
結婚して丸2年が経過する頃には凛子も仕事に慣れていた。な
のに夜の生活はほぼゼロ。
まさかのセレス夫婦になっていた。
話し合うも、まだ若いから慌てる必要ないよ、という彼女。

そしてある日、
俺の職場の先輩の女性から声を掛けられた。
最近凛子とはうまくいってるのかと。
普段殆ど話す事が無かった先輩。
凛子が勤めていた頃に
凛子繋がりで話したことがある位の仲だった。
凛子に変わっ事はないか?とか、
うるさい位に探りを入れてくる彼女にらいらついた。
そしてそれが分かったのか、
彼女は言いずらそうにこう言った。
「凛子、ウワキしてるかも」

252: 暇潰し 2014/12/29(月) 21:22:46.20
全く信じなかった。信じられなかった。
事実、その日も次の日もその次の日も、
暫くは凛子と普通に生活していたし。
この辺の事はあまり詳しく書きたくありません。
お察し願います。

二週間後、先輩に相談している自分、
そして勧められるまま興信所に依頼。
すくに証拠はいくつも集まった。
その時始めて泣いた。
後悔した、気が緩んで幸せボケしていた俺を。
美人な女は恐い。それを忘れていた。
彼女は鳥籠の中に入れていなければダメなんだと。
野に放つと沢山の獣に襲われてしまうんだということを忘れていたんだ。

258: 暇潰し 2014/12/29(月) 21:30:03.98
相手は出入りしている業者の男。
凛子と同い年。
逢引している時も指輪をしていたので、
凛子が既婚者と分かっていての所業。
冷静に、と言う先輩の声もよく聞こえなかった。
耳鳴りが酷かったような気がする。
席を立とうとしても立てなかった。
情けないことに腰が抜けていたんだ。
冷静でいるけれども心がなくなってしまった俺は、
とてもじゃないが家に帰る気になれずビジホに泊まった。
夜入れた凛子への電話、
「分かったよ。じゃあね」の一言だけ。

ウワキの事実を聞いた後だからか、
これから俺がいない事を良いことに間男と会うのか?とか考えて
胸を締め付ける苦しさに戻してしまったりもした。

259: 暇潰し 2014/12/29(月) 21:30:34.77
すまんな、悪かった。
これでおしまい

260: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/12/29(月) 21:31:47.39
東京に着いたのか?
尻切れトンボはマジ勘弁。(´・ω・`)

263: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/12/29(月) 21:32:46.79

終わり?

264: 暇潰し 2014/12/29(月) 21:35:48.23
東京もう着くわ。こめんな、暇潰しなもんでさ。
まあ正月明けたら逆戻りするから、
その時に忘れてなかったら続き書くよ。
でも、まあ胸糞悪い話だぞ。

268: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/12/29(月) 21:42:32.54
>>264
待ってるよ。

269: 暇潰し 2014/12/29(月) 21:43:40.63
横浜過ぎるとすぐだよね。悪いね

270: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/12/29(月) 21:52:29.00
また帰り道に書いてくれ、気になる

549: 暇潰し 2015/01/04(日) 18:31:19.15
これから戻るところ。
明日から仕事と考えるとブルーだな。
ちょこちょこ書いてきます。

550: 暇潰し 2015/01/04(日) 18:44:11.33
>>258の続きから。

翌日出社したらすぐに嫁友に呼び止められた。
あんた家に帰っていないでしょ?と。
顔見てすぐ分かったってさ。
嫁友の顔見た時、
何とも言えない複雑な気分になった。
安心感の一方で、
現実の生々しさが蘇ってくる、みたいな。
でも事情を知っている唯一の人でもあり、
彼女には色々と助けられる事になる。

551: 暇潰し 2015/01/04(日) 18:57:27.78
その日も帰るのが嫌だった俺に、
出張行った事にして取り敢えずもう一晩かけて
ゆっくり今後の事を考えようと彼女から提案された。
それで日中家に戻って着替えを用意している時、
ふと嫁の箪笥の中身を見てみようと思った。
このスレじゃテンプレだけど、
見た事もない高そうな下が沢山出てきたよ。
レースを散りばめた豪華なやつとか、
薄い生地で横紐とか。
あとは網タイツもあった。
これはパッケージに入った新品のが20位も。

554: 暇潰し 2015/01/04(日) 19:09:12.53
その夜、嫁友と一緒に今後を考える事になったけど、
酒は絶対ダメだと言われた。
まともな思考回路で考える為と、
こんな時に万が一にも疑われない為だと。

大衆食堂で4時間粘った結論は、
一カ月仮面を続ける、
そしてこの時点で俺自身定まっていなかった
夫婦としての今後の身の振り方をこの間に考える事。
仮面なんて自信無かったけど、
俺の意思が固まるまでは仕方ないと思い、
週に何度か偽出張を散りばめて凌いで行くことにした。

557: 暇潰し 2015/01/04(日) 19:37:07.21
家での嫁の態度、
付かず離れずみたいな感じ。
客観的に考えて子供の居ない若い夫婦にしてはドライ過ぎる関係。
やましい事があるのなら、
いつも以上に優しくしてくるのが人の性かと思っていたが、
嫁に関しては全くなし。
何を言ってもハイハイ、
心ここにあらずと言うか、
上手くあしらっとけ、みたいな。

558: 暇潰し 2015/01/04(日) 19:39:49.61
それから週2で偽出張。
今思えばそれまで殆ど出張なんてなかったのに、
いきなりなのに嫁の反応は「あら、そう」のみ。
そして嫁友のアドバイス通り、不在時に興信所依頼。
さすがにそこまでは、と思ったものの、
俺の出張時は100%逢引していた。

559: 暇潰し 2015/01/04(日) 19:41:12.89
でも家では何食わぬ顔の嫁。
ここまで来ると、
無念さよりも怒りがふつふつと湧いてきて、
我慢の限界へ。









562: 暇潰し 2015/01/04(日) 19:49:20.25
ある晩、俺がいるにも関わらず
一人ソファでテレビを見ている嫁に言った。
携帯見せろと。 

引用元: 【ネタも歓迎!】嫁のウワキ【雑談しながら待ってます】其の四十二


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