389: 1/2 04/09/10 18:53:41 ID:CAEB3DUa
888 名前: M7.74 投稿日: 04/09/10 18:38:56 ID:lRTtqyKT
オレは小さい頃、
家の事情でばあちゃんに預けられていた。
当初、見知らぬ土地に来て間もなく
当然友達もいない。
いつしかオレはノートに、
自分が考えたすごろくを書くのに夢中になっていた。
それをばあちゃんに見せては
「ここでモンスターが出るんだよ」
「ここに止まったら三回休み~」
ばあちゃんはニコニコしながら、
「ほうそうかい、そいつはすごいねぇ」
と相づちを打ってくれる。
それが何故かすごく嬉しくて、
何冊も何冊も書いていた。

やがてオレにも友達が出き、
そんなこともせず友達と遊びまくってたころ
家の事情も解消され、自分の家に戻った。
ばあちゃんは別れる時もニコニコしていて、
「おとうさん、おかあさんと一緒に暮らせるようになってよかったねぇ」
と喜んでくれた。

先日、そのばあちゃんが氏んだ。
89歳の大往生だった。
遺品を整理していた母から、
「あんたに」と一冊のノートをもらった。
開いてみると、そこには



ばあちゃんが作ったすごろくが書かれてあった。
モンスターの絵らしき物が書かれていたり、
何故かぬらりひょんとか妖怪も混じっていたり。
「ばあちゃん、よく作ったな」
とちょっと苦笑していた。

最後のあがりのページを見た。
「あがり」と達筆な字で書かれていた、
その下に

「義弘(オレ)くんに友達がいっぱいできますように」

人前で、親の前で号泣したのは
あれが初めてでした。
ばあちゃん、氏に目に会えなくてごめんよ。
そしてありがとう。



引用元: あなたの心がなごむとき~第15章