831: 素敵な旦那様 2006/02/18(土) 10:49:20
私には、兄がいました。
3つ年上の兄は、妹想いの優しい兄でした。

ドラクエ3を兄と一緒にやってました。(見てました。)
勇者が兄で、僧侶が私。
遊び人はペットの猫の名前にしました。
バランスの悪い3人パーティ。
兄はとっても強かった。
苦労しながらコツコツすすめた、ドラクエ3。
おもしろかった。

たしか、砂漠でピラミッドがあった場所だったと思います。
とても、強かったので、大苦戦してました。


ある日、兄が友人と野球にいくときに、私にいいました。

「レベ上げだけやってていいよ。でも先には進めるなよ。」

私は、いっつもみてるだけで、よくわからなかったけど、
なんだか、とてもうれしかったのを覚えてます。

そして、その言葉が、兄の最後の言葉になりました。



葬式の日、父は、兄の大事にしてたものを
棺おけにいれようとしたのを覚えてます。
お気に入りの服。
グローブ。セイントクロス。
そして、ドラクエ3。

でも、私は、ドラクエ3をいれないでって、
もらいました。
だって、兄から、レベ上げを頼まれてたから。


私は、くる日もくる日も時間を見つけては、
砂漠でレベ上げをしてました。
ドラクエ3の中には、兄が生きてたからです。

そして、なんとなく、強くなったら、
ひょっこり兄が戻ってくると思ってたかもしれません。
兄は、とっても強くなりました。
とっても強い魔法で、
全部倒してしまうのです。


それから、しばらくして、
ドラクエ3の冒険の書が消えてしまいました。


その時、初めて私は、泣きました。
ずっとずっと、母の近くで泣きました。
お兄ちゃんが氏んじゃった。
やっと、実感できました。


今では、前へ進むきっかけをくれた、
冒険の書が消えたことを、感謝しています。

840: 素敵な旦那様 2006/02/18(土) 22:00:53
>>831
泣けた

引用元: 【コピペでも】夫婦・家族のジーンとする話を集めるスレ2【オリでも】