引用元: 今までにあった修羅場を語れ【その28】



559: 名無しさん@おーぷん 20/10/02(金)11:13:20 ID:XW.4g.L3
結婚して地元から遠くに引っ越したんだが、
30代半ばの頃、そこで偶然中高の部活のチームメイトだったA子と再会した。



A子も私と同じ頃に結婚して同市内に住んでいたらしいが
カルチャースクールの体験教室で互いに気付いて
再会を喜び、友達として付き合うようになった・・・が。
私もA子も子供がいない。
それが気楽だったのは最初の半年ぐらいだけだった。
ふたりとも不妊治療しても出来なかったんだが、
私の方は、やれることはすべてやったと諦めがついていたが、
A子の方は気持ちがまだ整理がついていない様子だった。
私の方は夫に原因があっての子梨だが、A子の方は逆にA子自身の方に原因があって
この微妙な立場の違いもあったんだろうが
ふたりの間に少しずつ溝ができてきたんだ。
A子は旦那さんに対して、よく愚痴をこぼすらしかった。
近所の奥さんに子供のことを聞かれる度に
「今日こんなこと言われて辛かったー」
ポスティングチラシで学習塾の案内が入れば
「子供いないのに、一方的にこんなの入れられて辛いー」
パートの面接に行って
「履歴書に書いてないのに子供のこと聞かれて辛いー」と
とにかく何かある度に旦那さんに愚痴ってると言っていた。
気持ちの整理がついていない時は、そういう小さなことに
いちいち心がささくれる気持ちは分らなくもない。
だけど私は、あんまり旦那さんに言わない方がいいよってA子には言ってた。
たまに愚痴るのはいいけど、あまりにしょっちゅうだと、旦那さんも辛いって。
A子が言うには、旦那さんはちゃんと受け入れてくれてる優しい人だから
辛い気持ちは伝えるようにしてるって事だった。
私は、A子の旦那さんと同じ立場になるわけだけど
旦那からいちいち愚痴られたらしんどいと思った。
そうこうしてるうちに、ある日突然A子が泣きながらうちにきて
旦那さんから離婚してほしいと言われたそうだ。
A子と再会して一年ぐらい経った頃だった。
旦那さんは子梨については受け入れていたらしいんだが
あまりに子供のことで愚痴をこぼされているうちに
もう聞きたくないって思うようになって、
そこからやっぱり子供が欲しいって気持ちが強くなってきたそうだ。
自分には子供を作る能力はあるんだから、子供を持つには早い方がいいと
ずっとそんなことを考えていたらしい。
加えて、あてがある(不倫してる)わけではない、それは調べてくれてもいい
とも言われたって。
つまり、それでもおまえとは別れたいと言われたらしいんだ。
それ聞いた時、正直「ほら、言わんこっちゃない」と思った。
私だってA子のそういう話聞くの重かったもの。
旦那さんなら尚更だと思ったもの。
だから何度もやめろって言ったのに・・・。
ここまでになったら、私はもう話を聞いてあげるしか出来ることはない。
アドバイスなんて思い浮かばないし、できないし。
離婚調停でも分が悪かったらしい。
「子供が欲しいから別れてくれ」ってのは有責にはならないんだって。
離婚届を出したあと、うちに来てわんわん泣いたあと
私がトイレに行ってる間に、台所で手首切られたわ。
幸い直ぐに見つけたから、腕を縛ってタオル巻いてコート着せて
近所の人に知られずに病院に連れて行ったけど
連れて行く間、A子の心配より勘弁してよ~としか思わなかった。
冷たいと言われてもいい。
あの時再会しなければ良かった、再会しても適当にお茶を濁しておけば良かった、
そんなことばかり考えてた。
もう何も聞きたくない、もうこれ以上関わりたくないって気持ちしかなかった。
A子は地元に帰るって言ってたけど、戻ってくるのが怖くて
旦那にお願いして直ぐに引っ越させてもらった。
幸いと言うか、旦那は割とプラス思考な人だったから
私の友人がうちで自/殺未遂なんかしたことも
やっちまったもんはしゃーない、って感じで責められることはなかったし
引越しの件も、旦那の書斎作るって約束したら無茶苦茶前向きになってくれた。

そんなことがあったのが、今から10年ぐらい前のことなんだけど
急にそんな昔のことを長々と書きだしたのは
地元の友人からA子が亡くなってたことを最近知ったから。
あの後、再婚して再び離婚していた。
挙句、自死していた。
それを聞いて、10年前のことを詳細に思い出した。
あれから今でも時々、私んちの台所で私んちの包丁使って手首切られて
床に血が滴っていたあの光景を思い出すことはあった。
自分で料理してて、うっかり指を切ってしまった時に、自分の血を見て
震えが止まらなくなったこともあった。
心療内科に掛かったこともあった。
幸い旦那がいつもそばに居てくれて克服できたとはいえ
やっぱり思い出すことはあるんだよね。
もうこの世からいなくなったって聞いて、正直ホッとしてる。
誰に何と言われようとホッとしてる。

引用元: 今までにあった修羅場を語れ【その28】