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260: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 03:07:33.16 ID:FSS4MXso
「マ男さん、とりあえず修正作業終わったので、
確認してもらって良いです?」
む、早いな。明日までスケジュール引いてるのに。
ひとまず見てみる。
うーん・・・。こりゃまずいな。完全に勘違いしている。
既存部分のコピペで十分応用できる所を、
何故か自分仕様で新しく作っている。
無駄に行動力がありすぎるな、この子は。
これじゃ設計書と食い違って、使い物にならん。
「うーん、なるほど・・・」
「どうです? 完璧じゃないです?」
確かに目視でやる限りは完璧だが、これじゃダメだ。
「設計書見た?」
「もちろん見ましたよ。だから、ちゃんと動いてるじゃないですか」
うーん。どう言おう。言葉を選ばないとダメなタイプだ。
「何ていえば良いのかな。
やっぱりこれはお客さんに納品するプログラムだから
 お客さんの要望をまとめた設計書に則って
作成しなくちゃいけないんだけど」
「はぁ」
「木村くんは凄いと思うよ。私は入社当時、こんな余裕なかったからね。
 だけど、これはちょっとマズイね」
説明をする俺。話すのあんま得意じゃないんだ。納得してくれ。
「というわけだから、既存部分を使って作るようにしてくれないかな」
「・・・わかりました」
木村くんの使い方を間違えた。

一方の井出・竹中は・・・

262: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 03:08:16.78 ID:z.aLVYoo
木村案の定やっちまったwwww

264: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 03:09:02.38 ID:rK2KKRko
>完璧じゃないです?

自分で完璧言いやがったwwwwwwwwwwwwwwwwww

272: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 03:11:46.68 ID:1RBc8KIo
やる気はある分扱い辛ぇwwwwwwww
でもって人格の把握は意識的にやってるのなww






291: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 03:17:22.08 ID:FSS4MXso
「井出さーん、これはこうこうで良いんすよねー?」
「ん? あぁそうだよ」
逐一、報告させる形を取っている。確かにその方法なら失敗は少ない。
だが、それじゃ成長は望めないだろう。
「井出さーん、これなんすけどぉ」
「どれどれ。あぁ、それは今までの中でやったことあるなww 
教えてあげないよ! じゃんっ!」
「はぁー?」
「大丈夫、ちゃんと見てみろww ほれ、設計書!
 ほれ、さっきのソースコードのコピー!」
「めんどくせー・・・って、マジだ」
う、上手い。さすがにコミュニケーションの井出だ。こりゃ敵わん。
変な意地を張らずに、井出さんの方法をよく観察するんだ。
そのまま流用は無理だが、どこか変えれば木村くんにも使えるはず。

なるほど。初見では10まで教え、次に同じ質問が来た時、教える要素を減らす。
最終的にはゼロに持っていき、その頃には出来るようになっているというカラクリか。
確かにこれなら効率は悪いが、確実に成長させることができる。
まさしく、竹中専用教育プログラムだ。

これをどうにか木村くんに使えないものか・・・。

304: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 03:22:10.78 ID:AsZqC/Qo
なんか井出がすごいヤツに思えてくる

308: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 03:22:38.36 ID:0TiqwGso
しかし竹中の態度でかいなww

315: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 03:23:38.36 ID:FSS4MXso
いかん。さすがに眠いので寝よう。
まぁキリが良いといえばキリも良いし。
それじゃおやすみ!

317: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 03:24:01.32 ID:A7qfl0M0
>>315
乙!

323: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 03:24:49.03 ID:rK2KKRko
>>315
キリよくねーwwwwwwwwwwwwww
けど乙おやすー。

380: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 15:04:46.14 ID:FSS4MXso
井出さんの教育方法を観察した俺。しかし、


あのままでは木村くんには使えない。
まず第一に木村くんはあまり質問をして来ない。
なので、俺も一人で出来るなら放置でも大丈夫かも。
という楽観的に構えていた。そして、
それが結果となって彼は失敗を招いた。
しかし、第一印象とかなり違って来ているな。
勉強期間・・・というか、初日では、
ちょくちょく質問に来ていたのに。
うーむ、まだ完全に彼の性格を掴みきれていない。
彼は正社員だ。何とか成長させないと、
いつまでも負債となってしまうぞ。
ただ、基礎的な学習能力はあるはずなのだ。
つまり、育て方次第で化けるはず。

一見、乗りこなしやすそうに見えて実はじゃじゃ馬
だったという木村くん。
俺がこの彼を成長させて行くことが、
この第五部において最も重要な点になるのだ。
そして竹中。

力は持っているが、使い方が分からない、もしくは間違っている人間と
力も無く(?)使い方も分からない(?)が、積み重ねで伸びていく人間。

そして、なまじ力を持っているあまり、自信過剰な性格と
面倒くさがりだが、乗せれば諦めない性格。

果たして、どちらが優秀なのか。

382: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:06:41.94 ID:J8M1FHso
ちょww
いきなりwwwwww

でもwwktk

390: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 15:17:44.17 ID:FSS4MXso
今まで部活やバイトの経験も無く、
上下関係を知らずに育ってきた俺にとって
目上の人間はともかく、後輩にどのように接すれば
良いのか分からなかった。
なので、自分を木村くんの立場に置いて、物事を考えてみた。

まず、プライドが高いという点において、気をつけてみる。
自分が第一だという考えが念頭にあるのかもしれない。
ならば、この考えをどう覆すかだ。

俺自身の性格を見てみる。
・・・褒められた性格ではない。自分が尊敬できない相手は、
正直な話、相手にもしたくない。

うーむ、木村くんは俺を尊敬していないのかもしれない。
確かに、彼は俺の仕事を間近で見た事がない。
訳のわからん男が先輩風吹かせて、俺に指示出してるぞ、
という気持ちなのかもしれん。

全ては仮定の上での話だが、彼の今までの行動・性格を振り返る限り、
有り得る話でもある。

あまり気持ちは進まないが・・・藤田さんに相談してみよう。

395: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 15:23:26.63 ID:FSS4MXso
「すいません、藤田さん」
「うん?」
「木村くんの事なのですが」
「あぁ、どうかした?」
「はい、力はあるみたいなんですが、どうも私のやり方がマズイみたいで」
「うーん、彼は鼻を折られた経験が無いんだと思うよ」
挫折経験がないという事か。そういう人間は扱い辛い。
周囲の失敗経験を目の当たりにしていると、さらにそれは肥大化する。
「木村くんが、自分の方が、経験積めばあいつより出来る、
と思ってるって可能性は無い?」
有り得る。
「有り得ない話ではないです」
「私が思うに、君は過小評価されてるんじゃないかな。
まずは、君が仕事が出来る、という部分を見せないと」
教育以前の問題になるな、それは。
「それに彼はカッコいいからなぁww 
今までチヤホヤされてきてるって可能性もあると思うよ」
なるほどな。確かに俺は厳しく接しすぎていたのかもしれん。

少し教育方法を変えてみるか。

399: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:29:57.90 ID:eVoWSHMo
うんうん。後輩の教育ってのは通常の仕事の何倍も難しいよね・・・。

400: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:30:14.96 ID:IPnSE.oo
>>395
あー挫折経験の無いやつっているよね・・・。
うらやましいなあ。

404: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 15:36:28.33 ID:FSS4MXso
翌日。
「おい、マ男」
「はい」
「木村はどうだ。スケジュールに間に合いそうか?」
分からん。昨日の時点で、修正がどこまで終わっているかにもよる。
「分かりませんが、間に合わせようとは考えています」
「遅らせるなよ。怠け癖がつくぞ」
正論だ。遅れても、先輩が取り戻してくれるわ。
という意識が芽生えると厄介だ。
「あと、来週から上原が復帰するから、おまえはもういいよ」
え!?
「う、上原さんですか?」
「そーだよ。なんだよ」
「い、いえ」
そうか、復帰するのか。
復帰するのはめでたいが、木村くんを彼に渡すのか?
「もういいよ、というのは」
「うるせーな! お前じゃなくて上原に木村を任せるって言ってんだよ」

木村くんは一体どうなるのだ。

405: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:37:43.83 ID:eorktQwo
こ・・・これは・・・

407: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:38:13.28 ID:17aWfZAo
お、お、お、おは

408: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:39:34.88 ID:DtoWM3Yo
どうなるんだこれww

409: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:39:36.93 ID:TJT4j0M0
上原と木村の組み合わせか…。

もし木村が間男や藤田さんの見解通りの性格なら、
酷いことになりそうだ。

411: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:40:07.02 ID:5VO.prQo
ついに、復帰か・・・。

415: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:44:04.63 ID:Eml8.Owo
これって今日で完結するのかな?
勇は来週まで続くって言ってたっけ?

417: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 15:45:14.14 ID:FSS4MXso
たぶん完結は無理・・・。前編、後編と分けようと思ってるから、
今日は前編まで。

そしてその来週・・・つまり、月曜がやってくる。
俺はその間、木村くんの教育係をしていたが、
はっきり言って特に何も変化が無い。
上原さんに木村くんの指導が出来るのか。てか、
何でリーダーは上原さんを選ぶのだ。
「お、お、お」
まさか
「おは、お、お、おは」

き、来た。上原復活。

「おい上原ぁっ!!」
コイツ、これが言いたくて言いたくてしょうがなかったんだろ、絶対。
「おい、木村、竹中」
「はい」
「コイツが先輩の上原だ。何か分からなかったら俺じゃなくて、こいつに聞け」
「あ、あ、よ、よ」
木村くんが奇怪な物を見るような顔をしている。間違いない、この時点で見下した。
「上原さん、よろしくお願いします」
目があざ笑っている。
「よ、よ、よろ、ろ」

どうでも良いけど、もう少し上原さんに気を使ってあげても良いだろ・・・。

418: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:47:12.70 ID:5lGr9nI0
>「おい上原ぁっ!!」
リーダーはやっぱこうでないとwwwwww

419: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:47:25.63 ID:eVoWSHMo
お、お、お、お、おかえ

423: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:51:08.36 ID:B28Jgyw0
やっぱ上原さんがいると違うなwwwwww

427: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 15:56:18.48 ID:FSS4MXso
「マ男さん」
木村くんだ。
「ん?」
「僕、リーダーから、今日から上原さんが教育係って聞いたんですが」
その通りだ。すまん、木村くん。俺ではどうしようも出来ん。
「あの人って大丈夫なんです?」
確かに俺も最初はそう思ったが、それを言葉に出しちゃダメだろう。
「仕事は俺より出来るよ」
「へぇ」
何か物凄くイヤな予感がするぞ・・・。
どう考えたって上手く行く訳がない。例えるなら、ドMの上司にドSの部下だ。
軽い下克上が引き起こされ、部下はふんぞり返る可能性だってある。
「分かりました。とりあえず、少し話してきますね」
いや待て。会話にならない。
「何の話をするの?」
「あの人、今日から復帰ですよね。今の僕の状況を知ってもらおうと思いまして」
この自信たっぷりな態度・・・上原さん気をつけてくれ・・・。

429: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:58:12.67 ID:OY6vV.M0
木村ちょっとイライラするな

432: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 15:59:14.20 ID:vPJiW5Mo
木村君は慇懃無礼なタイプかもね~。

435: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 16:03:17.67 ID:FSS4MXso
「すいません、上原さん」
「あ、あ、は、は、あ」
「今の僕の状況の説明をしに来たんで、聞いてもらえます?」
「あ」
「えっとですね」
吃音をさえぎる木村くん。
そして説明開始。上原さんが所々で質問と思われる母音を発するが、
それを殺して説明を続行する木村くん。
上原さんは小刻みに顔を震わせている。
おそらく頷いているのだろう。
しかし、あの様子じゃたぶん理解できてない。
木村くんは木村くんで、なまじ自分に自信有りなのか、
この説明で誰でも理解できるとでも思っている節がある。
これはいかん。態度が悪すぎる。目上の人に対しての礼儀がひどい。
注意が必要だ。
「木村くん、ちょっと良いかな」
む、藤田さんだ。

438: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:05:25.40 ID:BzbIcAAO
説教タイムキタ

445: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 16:18:00.74 ID:FSS4MXso
「君、まだ入社して3ヶ月も経ってないよね?」
「はい」
「別に先輩だから、って理由で言うわけじゃないけど、
君はもう少し目上の人に対しての接し方を学んだ方が良い」
「それって今関係ありますか?」
おいおいおいおい
「今後に関係あるよ。君が将来、取引先に出た時にそんな態度じゃ、
この会社が危ない」
「はぁ」
「君はまだこの会社にとって負債なんだから、
その自覚を持たないとダメだよ」
はっきりと言い放った。藤田さん、それじゃダメですよ。
「どうもすいませんでした」

偉く印象変わったな、木村くん・・・。

その日から、木村くんに変化が起きた。と言っても、
微妙な変化だが。
「はぁ・・・」
ため息が非常に多い。ストレスが溜まってるのか、
何か悩み事があるのかは定かではないが
藤田さんに怒られてから何かが変わろうとしていた。

448: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:20:07.11 ID:ibb1w8.0
藤田さん最強伝説

449: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:20:11.64 ID:TJT4j0M0
>「それって今関係ありますか?」

こりゃだめだ

451: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:20:26.38 ID:p617bvI0
>>今後に関係あるよ。君が将来、取引先に出た時にそんな態度じゃ、
この会社が危ない
相変わらず鮮やかな切り返しだ

454: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:20:52.36 ID:pVZ46e6o
木村の未熟さと藤田さんの偉大さが垣間見えたね

473: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 16:29:01.59 ID:FSS4MXso
「マ男くん、ちょっと良いかな」
藤田さんだ。
「あ、はい」
応接室に移動する俺と藤田さん。何の話をするのか。
「木村くんなんだけど、彼は落として上げる方法が良いと思うよ」
「? どういう事ですか?」
「たぶん彼は今、気張りすぎてるんじゃないかなって思うんだよね。
学生時代がどんな子だったのかは知らないが
 自分に自信を持ってるタイプの子みたいだし、
私たちのような状況では誰が仕事できるかってのも分からないと思う」
確かに。雰囲気で察することはできるが。
「彼は今落ちてる所だから、君が上手く手を貸してあげなさい。
今の状況を使って、君の『出来る』という部分を見せる。
 そうすれば、君より仕事の出来る上原さんの事も、見直すんじゃないかな」
上原さんが直接それをやれば一番手っ取り早いが、
それは無理だと見越して、俺を中間に持ってくるということか。
「木村くんの教育係を、私に戻したいのですが」
「いや、上原さんのままで良いと思う。彼は上げるも下げるも無いし、
嫌でも自分でやらないといけないって思わせるから
 自立させるには一番の適任者だよ」
な、なるほど。それで事あるごとにリーダーは上原に聞けなのか。
いや知らんけど。

そして開発室に戻る俺。

「木村くん、大丈夫?」

474: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:30:56.33 ID:HANBF5go
藤田さんは何言ってもかっこいいな

477: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:32:11.05 ID:6gWgTNc0
さすがとしか言いようがない。。

483: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:38:53.01 ID:YLAqM9.o
藤田さんどんだけ厨性能なんだよwwwwwwwwwwwwwwwwww

484: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 16:41:21.48 ID:FSS4MXso
「大丈夫です」
む。やはりプライドが高い。
「厳しいと思ったら、すぐに言わないとダメだよ」
「はい・・・すいません・・・」
素直な面も覗かせているが、やはりどこかまだ堅い。
「君が潰れたら、私たちも辛い。早めに相談するのが大切だよ」
「はい、ごめんなさい・・・」
「昼休憩、一緒にご飯食べようか」
「はい・・・」
よし、ここまではOKだ。
仕事を再開する俺と木村くん。
今は断然に印象が悪いが、最初は素直で良い子だったんだ。
あのリーダーにも、お前良い奴だな、と言わしめた。
おそらく、やり方がマズイ。
というか、後輩を持ったのが人生初の俺が、
一人で頑張りすぎた。
リーダーや、井出さんも含めた先輩たちから、
何かしらの意見を貰うべきだったのかもしれん。

人生初(?)の挫折を味わったかのように見える木村くん。
ここが正念場だ。

昼休憩がやってきた。

497: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 16:56:42.85 ID:FSS4MXso
藤田さんと話をしたうどん屋に入る俺と木村くん。
「仕事どう?」
「・・・あんまり楽しくないです」
やっぱりそうか・・・。
「人間関係は?」
新卒がやめる理由として挙げる要素の一つだ。
こればかりは本当にどうしようもない。
自分だけの力ではどうにもできないのだ。
やめる理由としても十分に成り立ってしまう。
説得は困難だぞ。
「そうですね・・・。何なんだろう・・・」
う、うーむ。
「苦手な人は居る?」
「うーん・・・」
居るみたいだな、これは・・・。
「そうですね・・・藤田さんですかね・・・」
な、なんだってー!?
「え、そ、そうなんだ。なんで?」
「あの人、何でも出来そうって雰囲気が出てませんか?」
雰囲気っていうか、何でも出来るんじゃないのか・・・。
「確かに、うちの開発室じゃ一番出来る人だよ」

「うーん・・・僕と同じタイプなのかなぁ」

この小僧、大言を吐きおった。

499: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:57:57.63 ID:xsGqFVYo
>うーん・・・僕と同じタイプなのかなぁ
これはひでぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

500: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:58:00.04 ID:7q4lIIQo
>>497
木村wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

501: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:58:00.35 ID:zzkjCJU0
>>497
木村・・・・・・。

503: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:58:03.84 ID:TCC0nMEo
木村wwww究極のマイペース人間だなwwwwww

514: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 16:59:59.89 ID:IPnSE.oo
まあ本人に悪気は無いんだよなきっと。
でもうぜええええええ

527: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:04:10.98 ID:tVGhu2AO
お前ら本当良い反応するなwwwwwwwwww

534: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 17:06:46.90 ID:FSS4MXso
「そ、そうなんだ」
落ち着け。確かに同じタイプに見えんこともない。
そして、そういう者同士は争う事が多い。
三国志にも、孔明と周瑜という二人の天才が居て、
最後までお互いが相容れることは無かったではないか。
ちなみに演技しか知らないので、史実は知りません。
とにかく、上手く話を持って行きさえすれば、
この子は化けるぞ(たぶん
「他に苦手な人は居るの?」
「居ません」
「そうかぁ・・・。今の教育係は上原さんだけど、あの人はどう?」
「一番やりやすいですよ。何も言ってこないし、
結果だけ報告してます」
それまずくないか?
「間違った所とかは指摘してくれてるの?」
「はい。成果物をコピーするなりして、お渡ししてるんです。
んで、間違った所に印をつけてもらったりとか」
なるほど。確かに上原さん相手なら効率もいいし、賢い方法だ。
「うーん、藤田さんが苦手ってのも珍しいなぁ」
「そうですか? あぁいう人って案外敵が多いと思いますけど」
この子、凄いことをサラサラ言うな。この様子じゃ、
苦手というか嫌っているに近い。
しかし、実力は認めているところがある。
藤田さんには悪いが、あなたを使わせて貰います。

「でも逆に、藤田さんを目標にしてみれば良いんじゃないかな」

539: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:08:45.95 ID:TJT4j0M0
木村自重しろwwwwwwwwwwww

542: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:10:05.63 ID:3WCannUo
木村の株が急激に落ちてます!!!!

551: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 17:17:00.97 ID:FSS4MXso
「うーん・・・」
嫌いな人間を目標にするには抵抗がある。それは良く分かるが。
「藤田さんは本当に仕事も出来るし、人間的にも立派な人だよ」
当然、過去の部分は伏せる。
「マ男さんはどうなんですか?」
何を言ってるんだ。俺なんかを目標にしたら人生を棒に振るぞ。
「私はやめた方が良い。褒められた人生を歩んでないから。
藤田さんを目標にしたくないの?」
「いや、しても良いんですけど、何かなぁ・・・」
藤田さんが居なければ、この子はどうなっていただろうか。
「でも、一番仕事が出来るのってのは木村くんも分かってるよね」
「分かってます。だけど、目標ってのは・・・」
言い方が悪い。方向性を変える。
「じゃあライバルってのはどう? 
将来的に見たら良い勝負するんじゃないかな」
ここで上げる。
「そうですかね」
ほれ見ろ、食いついた。
「うん。今は藤田さんをよく観察して」
吸収、という言葉を飲み込む。
「盗めるところは盗んだら良いんじゃないかな」
「なるほどね。そうですね」
よし、後は上原さんの元に戻すだけだ。

555: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:18:04.34 ID:0/TIMQk0
GJ!
ナイス方向転換

559: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:18:28.97 ID:3WCannUo
> 「じゃあライバルってのはどう? 将来的に見たら良い勝負するんじゃないかな」
> 「そうですかね」

木村厚かましいwwwwwwwwwwwwwwwwww

575: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 17:27:36.49 ID:FSS4MXso
「所で、竹中くんとはどうなの?」
「あの人って、派遣でしたっけ?」
「そうだよ。君より経験あるんじゃないかな」
「それにしては、僕より出来るとは思えないんですけど」
ダメだ。まだ目上の人間に対しての考え方がなってない。
「あぁいう人は、やる気さえ出したら化けるよ」
「井出さんもどうなんですか? 社会人で坊主頭って・・・。
それに独り言多いですよね?」
なんだコイツは。ここは叱るべきだ。
「うーん、木村くん。本音を言えるのは良い事なんだけど、
やっぱりここは学校じゃなくて会社だから
 自分より能力が下だと思えても、
ちゃんと目上の人だっていう意識は持たないとダメだよ」
「うーん・・・」
「それに、現時点だと君より竹中くんの方が
スケジュール進んでるんじゃないかな」
「え、そうなんですか?」
知らないが。明らかに下だと思ってる人間に追い越されれば、
火が付くだろう。
「そうだよ。だから、無闇に人を見下したらダメだよ」
「・・・はい」
ホントにじゃじゃ馬だな。だが、
これで持ち直すことは出来そうだぞ。

577: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:28:27.65 ID:7q4lIIQo
>>575
なんて奴だwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
大物の予感wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

580: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:29:48.17 ID:KJ5fhQAO
井出ドンマイwwwwwwww

583: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:30:48.23 ID:sgcx0Moo
坊主のなにが悪いんだよwwwwwwwwwwww
むしろ妙にかっこつけてる髪形のほうが痛いだろwwwwwwwwww
木村容姿で判断とか終わってるwwwwww

603: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 17:42:06.66 ID:FSS4MXso
そして会社に戻る俺たち。
とりあえず、木村くんはこれで様子見だ。
育つ環境は揃っている。
目標となる人物、競争相手、そしてやる気。
プライドが高いのが難点だが、これも上手く転がせば
重要な爆発力に変える事も出来るはずだ。
「竹中ちゃん、すげーじゃん!」
井出だ。
「当たり前じゃないっすか。井出さんと同じにしないでくださいよ」
「バカ野郎wwwwww調子乗るなwwwwww」
「冗談っすよww スケジュール余裕じゃないっすか?」
「余裕だね。俺の仕事もやってよ」
「イヤっすよww」
う、うーむ。このコンビは失敗を覗かせないな。
本当に井出は凄い。並の人間なら、
この態度にキレる可能性だってあるぞ。

「チッ」

木村くんが二人を睨みつけていた。
落ち着け、今は我慢の時だ。君は大成する。
今は眠れる獅子なんだよ(たぶん

606: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:43:32.37 ID:7q4lIIQo
>>603
プライド高いなww

607: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:43:36.01 ID:tVGhu2AO
木村wwww舌打ちwwwwww

612: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:46:29.42 ID:UlcC8M.o
バカコンビがすごく順調だなwwwwww
本当に類は友を呼ぶと・・・

井出・・・育成には向いてるけどそれ+α仕事能力があれば・・・

613: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:46:34.76 ID:TJT4j0M0
木村wwwwwwwwww
今後が不安だwwwwwwwwwwww

624: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 17:53:13.99 ID:FSS4MXso
それからの日々は、まぁなんとも平凡だった。
俺は木村くんの教育係から外されたので、
スケジュールが余裕なこともあり
8時には退社できていた。
まさにゆとりある時間ゲットだぜ。
一方の肝心の木村くんは、
上原さんとのデコボココンビで上手くやっていた。
彼自身も言っていたが、介入されるのを嫌うらしい。
介入されない・・・というか、できない上原さんとは、
相性も良さそうだ。
後は藤田さんと上手くやってくれれば良いのだが。
「マ男くん、木村くんはどう?」
藤田さんだ。
「一応、話はしておきました。人間関係で問題があったようなので、
フォローはしておきましたが」
「そうか。まぁ人間、好き嫌いはあるからね。それでどうなの? 
伸びそう?」
あなたが起爆剤ですからね。伸びないわけがない。
「伸びますよ。今は新卒だってのもあって、頼りないですけど、
元々力はあると思います」
「なるほど。けど、ようやくって所かな。
まぁ彼は気難しい性格してそうだから、扱いには気をつけないと」

ここらへんから、木村くんは急成長を遂げていく。

627: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:54:47.38 ID:TJT4j0M0
おおッ?

629: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 17:54:59.11 ID:ZLXVzAso
>ここらへんから、木村くんは急成長を遂げていく。

wwktkせざるを得ない。

651: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 18:05:31.40 ID:FSS4MXso
製造が終了し、テスト作業に入った頃だ。
「マ男さん、今いいですか」
木村くんから声を掛けられた。
「ん?」
「リーダーから、上原さんはテスト作業から外してるとの事なので、
マ男さんから教われと聞いたのですが」
うーむ。テスト作業については、正直経験が物を言う作業だ。
しかも、やり方も割かしと固定されている。
木村くんのようなタイプの子では、全然面白くないのではないか。
「うん、わかった。テスト作業って学校では教えてくれるの?」
「いえ、動作確認だけでした」
こりゃ厄介だ。逐一報告形式を採らんといけん。

「井出さーん」
竹中だ。
「ここで俺様参上」
「ここのハードコピーってこれでいいっすかぁ?」
「おっけー牧場!」
「どーもー」
逆に竹中は相性がいい。

「そうだね・・・。うーん。とりあえず、テスト仕様書に書いてある事を試して、
ハードコピーを取ってみて」
「わかりました」
仕方が無い。時間を見て俺が自分で確認しに行くか。

657: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 18:16:46.50 ID:FSS4MXso
1時間ほど経過して、様子を見に行く。
「どう?」
「竹中さんの成果物を勝手に見ながらやってるんですけど、
こんな感じで良いですかね」
おぉ、凄い。完璧だ。動作がハードコピーだけで分かるように整理されている。
「凄いよ、そんな感じで大丈夫」
「ただ、竹中さんと同じにするのは面白くないので、
補足説明入れたりとか
 ダンプDBの値変更されてる部分の背景色を変えたり
工夫してるんですけど、問題ないですよね?」
無いよっていうか、むしろGJだよ。いや、統一性を持たせるために
竹中の作業が増えるけど。
「その調子でやっていいよ。てか、この頃の私はこんな発想無かったよ」
「早く藤田さんに追いつかないといけませんから。
じゃ、僕は続きやりますので」
「うん」
ここでも藤田さん活躍か。
木村くんは眠れる獅子だったのだ。何か起爆剤があれば、
急激に伸びるタイプでプライドが高い分、負けず嫌いの度合いも激しい。

まずはテスト作業で実力の片鱗を見せた木村くん。
井出&竹中コンビに一度は追い越されたものの、ここから逆転劇が始まる。

658: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:17:42.91 ID:7q4lIIQo
>>657
なんという才能・・・これは間違いなく才能

659: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:18:17.09 ID:A7qfl0M0
>>657
プライドがよい方向に働いているな

661: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:19:40.51 ID:dXpU/N60
マ男も木村の扱い上手いよな。

663: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:20:36.97 ID:3l1AmHAo
ここから木村のターン

664: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:22:58.51 ID:07t4OwIo
木村がいい味を出しているな

672: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 18:29:07.98 ID:FSS4MXso
このプロジェクトは無事に終わった。
続いて、次のプロジェクトに入る。いつもの通り、
スケジュールがこれまた厳しい。
「木村くん、これ出来そう? 厳しいなら言わないとダメだよ」
「大丈夫ですよ」
本当なのか・・・。
「でもこれ、私から見ても厳しいと思うよ。難易度もそこそこ高いし」
「この項目見る限り、上のシステムの補助的な部分ですよね。
スケジュールもマ男さんが先に作ってくれてるみたいだし
 その部分を流用すれば出来ると思います。
分からない所があったら、ちゃんと聞きますので」
何だコイツ、人が変わってないか?
「竹中ちゃん頑張ろうぜー」
「いやーこれ無理っすよ。製造2日しか無いじゃないっすか。
帰れないっすよ」
「大丈夫だって。危なくなったら俺が何とかしてやるから」
「おい、上原ぁ!!」
「あ、は、は、ああ」
「木村と竹中の面倒、ちゃんと見ろよ」
いや上原さんは無理だ。デスマフラグがスケジュールの時点で立ってる。
「リーダー、私が見ますよ。上原さんはスケジュール厳しいみたいですから」
藤田さんだ。
「あぁ? まぁお前なら別にいいが」
「あ、あ、あ、あり、あ」
ありがとうございます、だな。すると木村くんが

「僕は一人で大丈夫です」

小僧、また大言を吐きおった。

674: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:30:43.05 ID:3WCannUo
一人で大丈夫かはお前が決めることじゃねぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

675: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:31:02.47 ID:Q4k8tMg0
ぎゃああああああ、木村おまwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

677: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:31:12.81 ID:fFTKl72o
小僧てめえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

678: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:31:17.71 ID:7q4lIIQo
なんという自信家wwwwwwwwwwwwwwwwww

681: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:31:42.41 ID:AsZqC/Qo
これだから世間を知らない甘ちゃんは・・・・

691: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 18:36:22.86 ID:FSS4MXso
「木村くん、そこは礼儀としてありがとうございますって言わないとダメだよ」
「一番出来る藤田さんには教えてもらいたくないんで」
「ハハハww 私も嫌われたなぁ。でも、
そのぐらいの意気込みがあれば何だって出来るよ」
「どうも」
なんだってこんな敵視しているんだ。
「よーし、それじゃ仕事するぞ」

こうしてプロジェクトが開始された。
木村くんの作成部分は、俺の作ったものを元に作る内容なため、
俺は急いで作り上げる。
しかし、木村くんのアンチ藤田は相当なものだ。
藤田さんはスレでも大人気だというのに。
何が彼をそうさせるのかは分からないが、
ただ単に不平を述べるだけじゃなく
藤田さんを超えて、黙らせてやる、という強い意志が行動に出ている。
というか、実は嫌いなんじゃなくて、
本当は凄いのを認めたくないだけなんじゃないのか?
いや知らんけど・・・。

一人で大丈夫、とは言ったものの、大丈夫なわけがない。
放置しておいたら、勝手に一人で抱え込むタイプなので、
俺が自主的に様子を見に行くことにする。

「どう?」
「今、半分ぐらい出来た所です。画面遷移の時に、
セッションに値を入れようとうんたらかんたら」

大丈夫だった(たぶん

694: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:37:32.87 ID:UlcC8M.o
これはいいフラグ

藤田さんをライバル視したから起こったことかな
助けていらないってとこを見せたいのか

697: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:38:21.20 ID:A7qfl0M0
>>691
藤田さんの対応が素晴らしいな

700: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:40:31.09 ID:3l1AmHAo
藤田さんがいちいちカッコいいwwww

727: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 18:52:53.57 ID:FSS4MXso
しかし、ここで完全に大丈夫だと判断するのは早計だ。
このプロジェクト全体で目を配らないと、また失敗してしまうぞ。
彼は挫折すると、起き上がるのに時間が掛かるタイプに思える。
「マ男さん」
む、木村くんだ。
「ちょっと見てもらっていいです?」
どれどれ。
「ここの所なんですけど、このメソッドからこのクラスに飛ぶじゃないですか。
んで、この先でうんたらこうたら」
何だコイツ、すでに処理を理解できているぞ。
「そうそう。んで、このクラスの・・・ここか。ここでSQL文を組み込んでるでしょ?」
「はい」
「ここで実行して、値をセットしてるんだよ。んで、これでコミットしてる」
「なるほど、分かりました。後は自分でやってみます」
吸収力が半端無い。一度聞いたことは、即座に覚える・・・というのは過大評価か。
「所でマ男さん、藤田さんって帰らないですよね?」
そりゃ仕事いっぱいあるからな。ここみたいに、出来る人が少ないと、
その人に仕事がいっぱい行くんだ。
「そりゃね。私の仕事量の倍は受け持ってるんじゃないかな」
誇張表現してみる。
「へぇ。僕も作業を早く終わらせるんで、マ男さんの仕事を少し分けてくれませんかね」

この小僧、またまた大言を吐きおった。

730: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:54:27.04 ID:f0PBCoU0
小僧wwwwwwwwwwwwwwwwww

733: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:55:00.67 ID:ibb1w8.0
こ ん な 新 入 社 員 は い や だ

738: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 18:56:38.70 ID:iII3.too
木村は期待を裏切らないなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

751: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 19:03:10.85 ID:FSS4MXso
「いや、それは無理だよ。私が上の人に頼むならともかく、
下の人間に渡してたら
 スケジュールを割り振ってる意味が無くなるから」
「そうですか」
木村くんのやる気が暴走し始めている。ここは抑えないとダメだ。
藤田さんが出来すぎるせいで、常に彼は120%状態だぞ。
時には息抜きも必要だ。
「うーん、木村くん大丈夫?」
「何がですか?」
「気張りすぎてない?」
「藤田さんがライバルですから」
いや、それは別にいいんだけどね・・・。そんな漫画じゃないんだから、
1年や2年で追いつけるわけないじゃない・・・。
自分に自信を持ちすぎだよ、君は。
「竹中くんみたいに気楽に構えていいよ」
「僕はあの人は眼中に無いですから」

こ、この小僧!? 俺の器が小さすぎて、コイツを制御できん・・・!

758: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 19:04:49.14 ID:ApGmAiQ0

「僕はあの人は眼中に無いですから」

ワロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

759: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 19:04:55.74 ID:mSAi.LIo
>>751
器って問題じゃねえぞwwwwwwwwwwwwwwww

763: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 19:06:35.83 ID:f0PBCoU0
木村が面白すぐるwwwww

764: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 19:06:40.91 ID:FSS4MXso
腹減ったので飯食ってくるんだぜ

765: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 19:07:06.36 ID:dXpU/N60
乙!
たらふく食って鯉や!!

769: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 19:07:45.55 ID:iII3.too
いてら
再開楽しみにしてるよ

888: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 21:29:25.23 ID:FSS4MXso
うん、ごめん。ドラクエやってたよ。もう少しで前編終わるぞ。

これはダメだ。俺のキャパシティをとうに超えている。
藤田さんに相談しよう。平成の孔明なら、俺に何か策を授けてくれるはずだ!
「すいません、藤田さん」
「うん?」
「木村くんについてなんですけど、頑張りすぎてます」
「うーん」
「あのままだと、大きな壁にぶつかった時に潰れるんじゃないかと思うんですが」
「逆に、今の彼を止める方法は思いついてるの?」
無いです。なので、あなたを頼りに来ました。
「私が君の立場なら、逆にどんどん仕事任せるよ」
えぇ!?
「本人はやる気があるわけだから、それを不完全燃焼させる方が良くない。
 しかも、今のところは過失が無いわけでしょ?」
態度と言動が問題だが。
「えぇ」
「だったら、仕事をどんどん渡して、どこまで消化できるかを見た方が良い。
 もちろん、よく見ておかないとダメだよ。かつ、限界まで待つ。
すぐに手を貸すと、逆に燃え上がって自爆するだろうからね。
 限界と判断したら、君が手を貸すんだ。そうすれば、
彼も自分の限界を知って、色々と工夫をこなすだろうし
 君の株も上がって一石二鳥になる。大切なのは、人の性格を掴む事だよ。
 竹中くんにこの方法を取ってたら、もうこの会社には居ないだろうから」
う、うーむ。なるほど・・・。確かにその通りかもしれん。
しかし、安易にこれやって、とやってると、すぐに潰れてしまうぞ。
「仕事の難易度は少しずつ上げてみると良い。やっちゃいけない事は、
一気に上げる事と、以前より下げる事。
 理由は言わなくても分かるよね」
一気に上げれば、無駄にやる気だけが暴走して、
結果的にできませんでした→俺ダメな奴だ→タヒ亡
下げれば、俺って過小評価されてるな→こんな所に居たってつまらん→逃亡
あくまでの俺の仮説。

む、難しい。しかし、育て方さえ間違えなければ、
ソルジャーどころの騒ぎじゃなくなるぞ、これは。

891: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 21:30:28.95 ID:7q4lIIQo
つえええwwwwwwwwwwww木村君つええwwwwwwwwww

896: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 21:33:29.49 ID:tVGhu2AO
おかえりー、やはりドラクエかww

897: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 21:40:03.43 ID:Es3QeVE0
ドラクエ好き過ぎだろwwwwwwwwww

905: マ男 ◆kmd7lCK4/M 2007/12/09(日) 21:53:09.60 ID:FSS4MXso
これ以来、俺は藤田さんの言ったことを基礎に、
木村くんを教育し始めた。
するとどうだ。最初はやはり限界値が低く、すぐに限界と見えたので、
それなりには手を貸していたが
並の向上心ではない木村くんだ。次からはやり方を変えてみたり、
事前に質問をしてきたりと、自らの限界値を上げていった。
プロジェクト毎に成長・・・とまでは行かないが、竹中と比べると
段違いのスピードで伸びていく。

入社半年が経つ頃には、質問の回数は1日に1回あるか無いかになり
1年が経つ頃には、一人で仕事をこなせるようになっていた(要観察)
あとはあの生意気な鼻っ柱をどうにか出来れば文句は無いが、仕方あるまい。

しかし、さすがに藤田さんと言った所か。
まともに接したことなど無いはずなのに、スッパリと教育方針を授けてくれた。
木村くんは俺が藤田さんからアドバイスを受けたことなど知る由も無いだろうな。
君がライバルとしている人は、すでに君を育て上げるプログラムを
組んでいたんだよ。まさに手の平の上で踊る人形だ。

だが、良い調子だ。しかも木村くんがやってきてから、
スケジュールが少しだけ和らいだ。

こうして木村くんは俺の手から離れ、自立した。あと、
竹中も正社員として配属された。
俺も3年目を迎え、そろそろ戦力として認識されだしたか。
というか、木村くんに追い抜かれそうで怖い。

そして、この3年目で、スレタイの意味する限界、
藤田さんがリーダーをやらない理由が明かされる事になるのだ・・・。


第五部・最終章『もう俺は限界かもしれない』前編終了

続きは来週。

907: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 21:54:17.96 ID:HlcNLvgo
ちょwwwwwww竹中正社員wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

909: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 21:54:32.03 ID:7q4lIIQo
気になる終わり方だwwwwwwだなぁwwwwww

914: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 21:55:39.67 ID:TJT4j0M0
正社員wwwwwwwwwwwwwwww
竹中wwwwwwwwwwwwww

915: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 21:55:52.42 ID:Ate0ZQAo
最初は本当にブラックだったが
今だとけっこうマシになったんじゃね?

922: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2007/12/09(日) 21:58:12.64 ID:wsxMvoDO
>>905
乙!楽しかったよ、ありがとう。
来週が楽しみだwwおやすみ。

あ ドラクエほどほどにwwwwww

引用元: 【木村】ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない【最終章】



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