522: 2005/09/04(日) 01:50:36 ID:8+jlr1vP
病気で二年近く休学していたが
先月退院する事が出来た。

そして入院する前から入っていた
体育サークルの花火に
さっきまで顔を出していた。
見舞いに来てくれた奴ら以外とは
殆ど初対面ののりだったが
友人達の気遣いや
酒が入っていることもあって
二時間ぐらい経った時には
大分打ち解けられていた。

最後そして締めの線香花火を
皆で円になってやっていた時。
その俺の隣に先輩(男)、
その又隣に今日大分親しくなった後輩(男)が居た。

何となく皆黙り始めで
どことなくしんみりした気分で
各自手元の花火を暫く見つめていた。

しかし



少し経ってから
頻繁に後輩が
「熱い、熱い」
と口にするようになってきた。
そして
「止めて下さい」
と言うようになって
俺は初めて
隣の先輩がわざと後輩に
火花が当たるようにしているのに気付いた。

俺や後輩の隣にいた俺の友達は
「危ないですよ、止めた方が良い」
等と注意したが
先輩は酒飲んでるせいか一向に止めない。
ニヤニヤしているわけでもなく
気持ち悪い位のぼんやりした無表情で
「いや止められないんだよ、俺にも。
だって誰も俺見てくれないしさ・・こうでもしなきゃ」
等と訳分からないことを言いながら
尚後輩の手に花火を向けている。

後輩の懇願が
冗談ぽい苦笑いから泣き笑いへとなり
次第に辺りの空気が重くなってくる。
後輩の声音に
今までじゃれ合いだと思っていた奴らも
それが笑えない位の行為だと気付き始めたのだ。
だが俺と友達以外は誰も止めようとしない。
先輩後輩と言う立場以上に
彼の危険さや異常さに
皆当てられていたのかもしれない。

だが先輩が新しい花火を
更に後輩に向けようとした時
俺はその手首を出来る限りの力で掴み言った。
「さっきから止めましょうよって言ってますよね、それやったらぶっ殺しますよ」
先輩は俺を澱んだ目で見上げ又ブツブツと
「殺してくれるのかあ~」
等と呟き始めたが
それ以後誰かにそういう事をすることは無かった。

523: 2005/09/04(日) 01:52:03 ID:8+jlr1vP
後で他の奴らに言われたが先
輩はどうやら極度の構ってちゃんらしい。
自分や相手の体を痛めつける感じのアピールをして
自分への関心を惹いている様だった。
確かに爆竹を
自分の手の中で点火してしつこく
「火傷した」
と言い続けていた。
メンヘラなのかもしれないが
良く今まで放置されていたなと思った。
医者に診て貰うことを勧めたいが
酒飲んでた時
先輩が居た辺りから
そう言う方面の用語が頻繁に聞こえてきたから
もう通っているのかもしれない。

その後しつこい位に
「俺酒入っちゃうと駄目なんだよな~」
と繰り返していたので
「分かっているなら飲まないで下さい」
と強く言って帰ってきた。

結構自分でも過激な事を言ったつもりだが
何か凄いもやもやしている。
先輩のあの表情や言ってることに
時折病院内で見掛けた老人達を
思い出してるからかもしれない。

長い上に余りスーッとしない話ですみません。

引用元: 胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(23)