242: 名無しさん@HOME 2005/08/31(水) 21:16:16
長いです。自分が吐き出したいだけだから、うっとうしい人は飛ばしてください。

まだストーカーなんて言葉がなかった頃の話。

高3の時の彼とは手もつなげない様な超プラトニックなつきあいだった。
その分、お互い純真な気持ちでつきあっていた(と、思う。思いたい)
両方の親も公認だった。

私は絶望と思われていた第1志望の大学に奇跡的に合格し、
彼は合格確実のはずの大学に不合格となり浪人することになった。
私達は変わらず付き合い続け、彼の勉強の邪魔にならない程度に会うことにしていた。
が、彼は少しずつ受験のプレッシャーを感じはじめ、
私は降って湧いた憧れのキャンパスライフに浮かれ始めていた。
ちょっとお化粧をしてみたり、初めてのバイトで新しい洋服を買うのが楽しくなっていた。

お約束のように彼の束縛が段々厳しくなってきた。



「俺と会う時以外は化粧はするな」
「俺と会う時以外はスカートをはくな」
「バイトは夜はするな」
その頃、私達は初めてキスをしたのだが、
彼は盛りがついたようになってしまい、
会う度、誰もいない場所を探し回るようになった。
人気のない公園や人の来ないマンションの非常階段などを探し歩いてはひたすらキスをしたり胸をさわってくる様になった。
始めは彼の愛情(?)を嬉しくも思っていたが、段々束縛とギラギラ感に押しつぶされそうになっていった。
そのうち彼は「ホテルに行きたい」ばかりを言うようになった。
浪人中の彼にはお金がないのでデート代はいつも私のバイト代。
自分のバイト代でそんな所
(ホテルをとても陰気で薄汚い所だと当時思っていたので)
に行きたくないし、彼の必死さが恐くなっていた。
愛情も薄れていくのに初めてをする気にはなれない。
が、今、別れ話をすると彼が逆上しそうだし、
それが原因で受験が失敗したと言われるのが恐くて
なんとかごまかしながら、
「勉強の邪魔になるから」
「急にバイトがはいった」
と会うのを避けるようにしていた。

243: 242 2005/08/31(水) 21:17:14
続き
彼はどんどん、豹変していった。
朝から何十回も電話してくるようになった。
バイトの前をうろうろするようになった。
私の母親も何かを感じ取ったらしく
心配して聞いてきたので、ありのままを話した。
あまりの電話のしつこさに、
母が「あなた、どうしちゃったの?」
と彼に言うと
「うっつせぇ~くそばばぁ」
と怒鳴り返してくるようになった。

ある時、電話で
「私はあなたから離れるようなことはしないから、元のあなたに戻って」
というような話を泣きながらしていた時。
「えぇぇ?」と耳を疑った。
私が誰にも話したことがない出来事を彼が知っていたからだ。
そのことは、自分の日記にしか書いていないのに、何故、彼が知っているの??
ピンときた。
多分、彼はどうにかして私の部屋に入りこんでいる。
それで日記を見ている。
私が日記をつけているのを彼は知っているのだから。
ぞっとした。
が、さすがにこのことを話しても両親や兄はにわかには信じられない様だった。
「どうやって見つからずに入るのよ?」と。

だが母は心配してバイトや授業の帰りには駅まで迎えに来てくれるようになった。
ある日、バイトの帰り道に母と歩いていると、後ろの方から「おい、おい」と彼の声がした。
私も母も恐怖で後ろを振り向けず、早足で急いだ。
その時、走って近づいてくる足音がする!と思ったら、
私は母の目の前で彼にジャンピングキックをお見舞いされていた。
おもいきり、転倒する私。
母の悲鳴で彼は走って逃げていった。

244: 242 2005/08/31(水) 21:17:48
ただ事ではない、ということになり
彼の両親と私の両親を交えて次の日曜日に話し合いをすることになった。
その日曜日の3日程前。家にいると彼から電話がきた。
もう一度2人で会いたい、という彼が恐くて震えながら彼を逆上させない様に断った。
その5分後ぐらいに「ピンポンピンポン、ガチャガチャピポピポピポン、ガチャガチャ」と
家のチャイムが鳴りつづけドアノブが乱暴に回された。
絶対彼だ。どうしよう。恐くて玄関の前で震えていると
「ガチャ」と鍵を挿し込む音がして玄関のドアが開いた。
呆然としていると彼が土気色の顔で「このやろうぉぉ~」と
向かってきた。逃げる間もなく髪をつかまれ、廊下に押し倒された。
本当に殺されると思った。

その時、2階で寝ていた兄が騒ぎを聞きつけ駆け下りてきた。
そして彼を後ろから羽交い締めにした。彼も猛烈に暴れて
いた。兄が「ケイサツっ!ケイサツっ、はよ、電話しろぉぉ!!」と怒鳴ったが、
腰が抜けた様になって立てなかった。
兄は彼を羽交い締めにしたまま、和室に引きずっていき、
見事な「内股」を彼にお見舞いした(兄は柔道歴10年)
彼はぐったりして動かなくなった。
兄が彼を床にうつぶせで押し倒し、近くにあったガムテープで後ろにまわした手首を
ぐるぐるまきにし、足首をベルトで縛るのを呆然と見ていた。
兄と彼のはぁはぁという荒い息遣いだけを妙に生々しく覚えている。

245: 242 2005/08/31(水) 21:22:47
その後のことは、なんだかぼんやりとしか覚えていない。
結局、兄の判断で警察は呼ばず彼の両親と私の両親がとんできた。
彼はやはりうちの家の合い鍵を作ってもっていた。
いつの間にか分からないが、私の鞄から鍵を盗み、
合い鍵を作るとばれない様にまた、私の鍵は鞄に返しておいたらしい。
彼の両親が泣きながら謝罪していたし、
彼の将来を考えると誰も警察沙汰にする気はなかった。
が、私の身の危険を考え彼はしばらく彼の両親の実家で過ごさせる、ということになった。
決して目を離さず、私には近づけないと。

それでも半年ぐらいは毎日恐かった。
バイトも辞め授業も最低限のものしか受けなかった。
なるべく兄や母と一緒に行動した。今でも後ろで男の人の声がすると体が固まる時がある。
結局、彼は第1志望ではないが大学に合格した、と聞いた。
2年後ぐらいに彼から電話があり謝りたいと言われたが、丁寧に断った。
その時は新しい彼女もできていた様子で、少し安心した。今は結婚したと噂で聞いた。
兄は今でも「あの時の、オレの内股、最強!」と自慢する。


246: 名無しさん@HOME 2005/08/31(水) 21:24:53
(*´д`*)お兄さんカッコイイ

247: 名無しさん@HOME 2005/08/31(水) 21:29:10
お兄ちゃんいてよかったね(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブル

248: 名無しさん@HOME 2005/08/31(水) 21:37:28
兄GJ!

249: 名無しさん@HOME 2005/08/31(水) 23:16:06
>>242
兄、兄、お兄様、兄上様、素晴らしいよ。
いくらでも自慢して良いよ。
自慢の仕方も冗談ぽくってステキだよ。
鳥肌が立ったよ。

250: 名無しさん@HOME 2005/09/01(木) 01:03:34
こんなにドキドキ、ハラハラして読んでて
最後の一行でブッと吹いたのは初めてだ。
お兄さんサイコー。

引用元: 今までにあった最大の修羅場    £